ペンギンアート展名古屋-最新情報

■オークション

　食事が予定より長引いたため９時半過ぎに近くのカラオケボックスに移動し、お待ちかねのオークション大会が始まります。作家の柿本さんは、都合によりご帰宅となりました。しかしなぜか、そのまま参加されるはずのまつながあやこさんの姿が見あたりません。どうしたのでしょうか。
　メンバーがそれぞれに持ち寄った品物をステージの机の上に並べ、各自がそれを吟味して、欲しい品物に目星をつけます。まずは食事の席ではできなかった自己紹介をしたあと、早々にオークション・タイムに突入です。品物は一つ一つ、持参した方の説明がされたあと、競りで価格が決定されていきます。2000年限定のクールミントガムセットを皮切りに、革製メガネ立てやトートバッグなど、魅力的なペンギングッズが次々と落札されていきます。それにしても先程からまつながさんを探しているのですがどこにもいらっしゃいません。私の隣には、アルコール臭の息を吐く不思議な生き物が座っています。
　最初に品物が並べられた時から皆ある程度ねらいは定めているようで、それまで静かだった人が急に強気に値段を競り上げたりします。横井さん持参のペンギン柄ニュージーランド紙幣をホイホさんが２０００円で、増田さん製作の、現在アート展に出品中である「ペンギン護美箱」をぺんちんさんが５０００円でそれぞれ落札されました。そんななかでも私の隣にいるぐにゃぐにゃした生き物は、大声で鳴いたり動き回ったりして、なかなか賑やかに振る舞っています。
　私も今日のために何か用意しなくてはと思い、急遽部屋中をいろいろと探し回ったのですが何もなく、アメリカで買ってきた品物をいくつか出すことにしました。普通に土産物屋で売っているもので恐縮だったのですが、ラスベガス・ヒルトンホテルのペンギンカップは、横井さんが何と４０００円でご購入になりました。ペンギン形の飾りが付いたボールペンもそこそこ喜んでもらえたようでひと安心です。しかし相変わらずまつながさんの姿が見あたりません。私の隣にいる珍獣はよく見ると着物のようなものを着ています。
　だんだんと大物が登場し、競りも激しさを増していきます。私自身ももちろんオークションに参加してはいるのですが、みなさんの勢いに圧され、なかなか競り落とすことができません。それでもようやくまつながさんの製作されたエンペラー雛のトートバッグを入手しました。
　私の隣でわめき散らしている軟体動物もどうやらオークションに参加しているようで、鎌倉志保子さん制作のビデオに１万円、大田さんの毛布に３５５０円など、高額商品を惜しげもなく競り落としています。ぺんちんさんが書き留めている一覧メモには、落札者の所になぜか間違えてまつながさんのお名前が書いてあります。今度こそまつながさんが見つかるかと会場を見渡してもやはりどこにもいません私の隣にはビールを飲む軟体動物。
　会が半ばを過ぎたあたりから、入手した品を見せ合ったり酒が回ってしまったりで進行が乱れはじめ、収拾がつかなくなってきました。CHIEZOさんも壊れはじめたのか、「ありがとう浜村淳です」を合計４１５回連呼されていましたが、ぎりぎりのところで何とかCHIEZOさんのままのお姿でした。連呼のかいあってお目当てのスノーボールをゲットされたようです。それにしてもやっぱりまつながさんはいません隣に軟体動物。
　大田さんのガラスフィギュアが出されるや、それまでお静かだった石川さんが突如競りに参加され、見る間に競り落とされました。時刻は既に１１時を過ぎていて、品物を受け取った石川さんは、「これだけを狙ってたんだよ」という言葉を残して帰っていかれました。また、終始競りに参加されかなりの散財をされていた仙台のＫさん、横井さんも帰宅の途に就かれます。横井さんからは帰り際、ニュージーランドで撮ってきたという生キガシラペンギンの写真を見せていただきました。
　ところでずっと私の隣にいた肉塊も、どうやら巣に帰るようです。見たところ、いちおう直立歩行で移動する生き物のようです。まわりのみんなはなぜか勘違いをして、「おつかれさまでしたー、まつながさん」などと挨拶をしています。　地下鉄の最終もなくなるぎりぎりの時刻までオークションは続き、無事すべての品物をさばき終えることができました。それぞれに入手した品物を手に満足そうなご様子で何よりです。収益的にも潤い、アート展実行委員会メンバーも一安心といったところでしょう。私も最後のどさくさにまぎれて、出展者の山岡さん製作による革製しおりを１２００円で手に入れ、大満足の会となりました。
　ところでただひとつ疑問が残ります。まつながあやこさんは、いったいどこへ行ってしまったのでしょうか。